報道関係者の皆さまへ(2024年1月16日)

報道関係者 各位

お世話になります。このたび、吉田寮現棟・食堂明渡請求訴訟の第一審・判決言渡まで1ヶ月を迎えることとなりました。それに伴い、主に昨年10月の第一審・結審時に見られた報道や取材に対する、寮自治会の見解を表明いたします。

2月16日の判決言渡しの際には、被告団の方で記者会見を行う予定ですが、それとは別に取材を希望される方は、以下の見解をご覧のうえ、寮内取材担当までご連絡をいただければと存じます。

判決言渡の1週間前など、直前のご連絡ですと寮側も取材をお受けできない可能性があります。取材をご希望の方は、お手数ですがお早めにご連絡をくださいますようお願いいたします。

~以下PDFファイル~

~以下テキスト~

第一審・結審時の報道・取材に対する吉田寮自治会としての見解

【要旨】

  • 結審時には、寮生の意思を蹂躙し、プライバシーを侵害するような取材がなされました。我々寮自治会は、こうした取材姿勢に強く抗議します。
  • 結審時に限らず、寮と大学との関係性として、大学側が主張している構図のみが報道されることが多くあります。その構図にはいくつもの誤謬があります。吉田寮問題の本質は、京大側が約束を一方的に反故にし、学生に対しスラップ訴訟を起こしている点です。
  • 記者会見のほかに別途取材希望がある場合、なるべく早く、遅くとも1月中にはご連絡をいただきたく思います。

【結審時の取材に対する見解】

 第一審・結審時には全国ネットのテレビ番組にて寮問題の報道がされ、広く注目を集めました。しかし、その取材の過程において、当事者である寮生や被写体とのコミュニケーションを全く無視し、プライバシー面の寮生側の懸念を嗤笑するといった態度が、当該記者団によって取られました。例えば、寮生に断りなく、突然に生活空間への記者・カメラの進入があったため、寮生側がお断りしたところ、記者側が「断ったとしても勝手に撮る」と言い、渋々寮生が同伴して寮外観の撮影を認めたということがありました。そのほかにも、被写体に許可を取らず撮影を進めたり、そもそも寮生の話を無視したりと、取材主体として信じがたい言動が常時見られました。

 我々としましても、寮問題を多くの人に知ってもらい、あまねく世論を喚起するという点において、メディアの方々に報道していただくのは、喜ばしいことだと考えております。しかし、上記のような、当事者とのコミュニケーションを拒絶し、プライバシーの侵害行為も辞さないというような取材姿勢については、寮を生活空間としている主体として、プライバシー権を正当に有する個人として、許しがたいものであり、ここに強く抗議します。

 コミュニケーションこそが取材の根本だと我々は考えます。寮生とのコミュニケーションや合意形成を大事にされるメディアの方々も多くいらっしゃるだけに、結審時の取材の件は、非常に残念に思います。そういった取材が今後あった場合、当該社による取材の今後一切の拒否など、しかるべき措置を検討します。

 

【吉田寮に関する報道についての見解】

 昨年の結審時のみならず、多くの報道で見られるのが、「老朽化を懸念する大学」対「古い建物にこだわる寮生」という構図です。この主張は、京大側が寮生の提訴に際し行った記者会見において、山極寿一総長(当時)および川添信介副学長(当時)が話したことを、ただ補強しているだけのものにすぎません。

 寮自治会側も数十年間にわたり、吉田寮・現棟(1913年築)の老朽化を深刻な懸念事項としてとらえ、大学側と交渉を行ってきました。そして実際に補修案の提示を行い、大学側と補修の合意に至りました(詳細は「150212確約書」等を参照)。それにもかかわらず、突如として大学側が補修合意を無かったことにし、2015年まで行われてきた寮自治会-副学長間の話し合いを一方的に打ち切り、退去通告と寮生への提訴を行ったのです。

 また、ただ寮生だけが「現棟」という建物の価値を評価しているわけではありません。2015年には日本建築学会近畿支部より「京都大学吉田寮の保存活用に関する要望書」が発表されています。当の京都大学法人でさえ、提訴直前に出された声明において「現棟の建築物としての歴史的経緯に配慮する」と述べています。そのような中寮自治会側は、現棟からの退去も案として含めた「吉田寮の未来のための私たちの提案」を発出しましたが、大学側に全く黙殺されています。

 学府ともあろう機関が、一方的に約束事を反故にし、挙句の果てに学生に対するスラップ訴訟を起こしたということこそが、本問題の最も重大な論点です。上記のような報道は、こうした経緯を無視するものであり、吉田寮に対するネガティブ・キャンペーンを助長するものだといえます。

【第一審・判決に伴う取材について】

 前述したとおり、寮問題、一連の大学の措置について広く世間に知ってもらい、世論を喚起するといった観点において、メディアの方々に吉田寮問題を報道していただくことは、本来大変喜ばしいことです。しかし、上述のような強引な取材があると、取材をお受けすることが難しくなります。

 我々寮自治会としては、お手数をおかけすることになりますが、お早めにご連絡をいただきたいと考えます。それにより、記者の皆様方とコミュニケーションを取ることができ、よりよい被取材態勢を整えることが可能となります。

 また、大学側が一切の取材拒否をしている状況下において、裁判の概要や訴状などといった資料類も、お早めにお話しいただければ、寮自治会側で用意することが可能です。取材のご希望については、以下のアドレスまでご連絡いただければと思います。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

以上

吉田寮自治会
取材担当
yoshidaryo.pr@gmail.com