山極壽一前総長および川添信介元副学長宛公開質問状の発出について

 吉田寮自治会は2024年4月9日、「公開質問状」を山極壽一 京都大学前総長および 川添信介 京都大学元学生担当理事・副学長宛に発出しました。「吉田寮現棟・食堂明渡請求訴訟」第一審・判決を受けて、改めて5年前に訴訟を提起した両氏に対し、見解を問うものです。

 なお、本質問状への回答の有無および回答内容は全て公式HPおよびメディア取材等を通じて公開いたします。両氏に対しては、2024年5月31日までのご回答を求めます。

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公開質問状

2024年4月9日

京都大学前総長         山極壽一 殿
京都大学元学生担当理事・副学長 川添信介 殿
 (現・福知山公立大学学長)

〒606-8315
京都市左京区吉田近衛町69 京都大学吉田寮
吉田寮自治会

 山極前総長および川添元副学長がイニシアチブを取り、5年前に始まった「京都大学吉田寮現棟・食堂明渡請求訴訟」について、2024年2月16日、第一審の判決が下され、現在住んでいる寮生の大半に居住権を認め、ほかにも寮自治会の主張を大幅に認める内容となりました。

 川添氏が会見において「有形無形の圧力のもとで、長時間かけて、自治会の主張を何とか大学側に認めさせる、そういう形態をとっていたと理解している」「大学の公式な手続きを経て、サインされてきたわけではない」(京都大学新聞 2019年1月16日号)と述べた確約について、判決文には、大学法人の正式な決裁として「有効」であると記されています。そのほか、川添氏らが「代替宿舎」として用意したワンルームマンションについても、「寮生らは吉田寮が自治会により自主運営されていることに大きな意味を感じて入寮しており、代替となりえない」と判決文において言及されています。

 川添氏は本判決について「承服できない」(京都大学新聞 2024年3月16日号)と発言されていますが、そもそも訴訟という強硬手段を山極・川添両氏が選択したことについて、我々寮自治会は承服していません。

 私たちは、寮生との対話を反故にし訴訟に踏み切った当事者として、山極前総長および川添元副学長に対し、2024531日までに、文書にて以下の五つの質問にご回答することを要求します。なお、本文書及び回答の有無、回答内容につきましては、WEBサイトやメディア取材を通じて全て公開させていただきますので、予めご了承ください。

  1. 寮生が5年間、本来であれば勉学や研究活動に費やすことができた時間を訴訟に使わざるをえなくなったことについて、どのように認識されているでしょうか。
  2. 2018年に行われた寮生と当局間での少人数交渉において、川添元副学長が寮生に対し恫喝とその開き直りをしたことについて、現在どのように認識されているでしょうか。
  3. 対話でなく訴訟に踏み切ったことについて、現在どのように認識されているでしょうか。
  4. 確約の有効性が第一審の判決において認められましたが、そうした判決が下されたことについて、現在どのように認識されているでしょうか。
  5. 話し合いを伴わない形での代替宿舎の斡旋、訴訟費用の負担などに充てられた金銭は、必要な出費であったと認識されているでしょうか。

以上