吉田寮蔵書目録について

吉田寮蔵書目録について

文責:猪瀬貴大

《名称》京都大学学生寄宿舎吉田寮蔵書目録
《作業期間》2025年5月20日~6月17日
《作成者》猪瀬貴大(静岡大学人文社会科学部経済学科2018年卒業・旧雄萠寮出身)
《目録対象》寮図書部(のち文化部)が組織的に導入・管理してきた蔵書群
《冊数(結果)》1452冊 ※多量の重複を除く
《発行時期》1910年代〜1970年代前半

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こちらは抜粋となります。完全版は以下よりダウンロードをお願いいたします。

棚番号書籍名著者訳者・編者発行年
(西暦)
発行年
(和暦)
発行月発行所蔵書印寄贈者旧制期導入年(西暦)導入年(和暦)導入月備考
11-1現代世界美術全集10梅原龍三郎ほか19667河出書房新社京都大学学生部43.3.11京都大学図書
21-1世界大百科事典 日本地図下中邦彦19682平凡社京都大学学生部
31-1世界美術全集7下中弥三郎昭和212平凡社寄宿舎閲覧室図書印小田正和

 作成者は静岡大学雄萠寮在寮中の2018年、旧制静高寮蔵書を含む蔵書目録を作成した経験があり、このたび寮外生ながら吉田寮自治会の承認を得て蔵書目録作成をおこないました。
 特に旧制期の寄宿舎図書部は購入・寄贈によって盛んに蔵書の形成・運用を進めており、それらは舎生の趣向を気張らずに表すものと考えられます。また卒業生や教官らによる寄贈書の存在は、寄宿舎との関係性を物語る他、十人十色のストーリーを想像させる意味でも興味深いものです。
 実はすでに蔵書目録は1977年に作成されており、以後図書の増加もほとんどないため、新たな蔵書目録作成は不要とも思われるかも知れません。しかし、既存の目録は手書きで書名・著者名・出版社を記載した程度であり、導入された時期や経緯は不明、また集計にも適しません。今回の目録作成はそれらをふまえ「読むための蔵書」というよりは「史料としての蔵書」を意識して記録に努めました。

《備考》

①原則として、個人が(勝手に)置いていったと見られる図書は目録対象から外しています。寄宿舎の蔵書印や図書分類ラベルの有無が1つの目安となります。

②便宜上通し番号を振りましたが、順序には意味がありません。元の蔵書置き場である茶室から作業部屋へ蔵書を運搬し、目録対象のみを絞って書架へ再収納する過程において、蔵書の配架順は大きく変化しています。

③1970~80年頃の逐次刊行物(アサヒグラフ、朝日ジャーナル、エコノミスト、現代の眼、世界 等)も多数保管されています。定期購読書と推定されるものの、より多様性を秘めた単行本等の記録を優先したため、今回の目録には含まれていません。

以上