吉田寮現棟・食堂明渡請求訴訟第一審判決において敗訴した寮生被告の控訴について

2024年2月28日

吉田寮自治会

 本日、吉田寮現棟・食堂明渡請求訴訟第一審判決において敗訴した3名の寮生被告が控訴しました。今回の控訴について、吉田寮自治会としての見解を表明します。
 第一審における判決では、大学当局の役職者と吉田寮自治会が結んできた確約書の有効性と吉田寮自治会の入退寮選考権が認められました。そして、現在も在寮する17名の被告のうち14名に対する明渡請求が棄却され、14名は勝訴しました。しかし、残る3名については、2017年12月19日の大学当局による「吉田寮生の安全確保についての基本方針」発出以降に入寮したことを理由に敗訴が言い渡されました。判決は、確約書の有効性を認めながらも、その確約書で認められた吉田寮自治会による入退寮選考権について、大学当局の「基本方針」通告以降は無効にできると認めたのです。確約書は「大学当局は吉田寮の運営について一方的な決定を行わず、吉田寮自治会と話し合い、合意の上決定する」(2015年2月12日付)ことを明記しており、大学当局の通告自体が無効なはずです。しかしながら判決においては、確約書の有効性と大学当局による一方的な入寮選考権の剥奪通告の両方を認定するという奇妙な論理となっています。判決は全体としては学生の自治権を認めた画期的なものと評価できますが、敗訴の理由については論理の一貫性に疑問が残るものとなっています。
 このまま控訴せず3名の敗訴が確定してしまえば、3名が不当に吉田寮から明け渡しを命じられてしまいます。吉田寮自治会としては、入寮した時期によって不利益な扱いがされてしまうことを福利厚生施設のあり方として認めることはできませんし、一方的な入寮募集の停止を受け入れられません。したがって、3名については控訴をするという判断に至りました。現行の裁判制度において控訴の期限が2週間以内と定められていることにより、このタイミングで控訴を決断せざるを得なかったという事情があります。
 しかし、吉田寮自治会としては、京都大学当局に対してあくまで訴訟ではなく話し合いでの問題解決を引き続き訴えてまいります。今回の控訴は、あくまで大学当局の不当な訴訟提起に対する対応として行うものであることをご理解いただきたいと思います。大学当局との間で話し合いが成立し、問題解決の糸口がつかめたならば、控訴を取り下げる用意はあることを表明します。もとより吉田寮自治会は、裁判ではなく話し合いによる問題解決を繰り返し求めてきました。今回、控訴をしたとしてもその方針に変わりはありません。私たちにとって裁判とは望んで闘っているものではなく、強硬的で一方的な大学当局のやり方に再考を促すためにやむを得ず引き受けているものなのです。
 改めて、京都大学当局に対しては、司法の場においても学生自治の歴史、確約書の有効性が認められたことの意味を重く受け止め、対話を再開することを強く求めます